サポート事例
権利トラブルの予防
複数調査、継続調査のすすめ
ネーミング/アイデア公募を行うことになった
製品アイデアやネーミングのコンテストといった公募性のプロジェクトはPR効果が高く、ヒット製品も生まれやすい一方、トラブルの種が多く潜んでいます。
製品アイデアやネーミングのコンテストといった公募性のプロジェクトのご経験はおありでしょうか。
公募性のプロジェクトはPR効果が高く、公募プロジェクトから生まれたヒット製品もいくつかあります。また、行政機関や各種団体が公募を行い、委託先又は協力先として公募プロジェクトにかかわる場合もあります。
但し、公募性のプロジェクトはその性質上、トラブルの種が多く潜んでいます。特に、他社権利の抵触のリスクはなかなかゼロにはならず、潜在的なトラブルの種を抱えたまま公募作品の発表や選別を行うことになってしまいます。かといって莫大な調査費用をかけるわけにもいきません。
一般的に公募プロジェクトの実行においては、複数回の調査、特に、複数の時期に分けた、段階的な継続調査を行います。まず、公募案の受け付けを行った時点で、一次調査として、一通りの産業財産権調査(国内の特許・実案・意匠の調査、商標の称呼の調査)を行います。この一次調査で、知財トラブルの可能性のあるものを大きなふるいにかけます。次に二次調査としてWEB調査(著作権の調査)と外国文献調査(外国特許、外国商標、外国意匠の調査)を行います。
また、その後1か月~数か月の期間の経過後に、三次調査として産業財産権の再調査を中心とした総合調査を行います。
産業財産権の情報は出願から公表までに制度上の秘密期間を経なければみることができません。また、公開公報や登録公報といった各種広報が発行されても、データベースに掲載されるまで数週間~数か月のタイムラグが存在します。さらに、早期審査が頻繁に活用されるようになった現代の特許制度では、公開を経ずに突然特許化される、いわゆる「サブマリン特許」の発生が後を絶ちません。さらに秘密意匠制度によって一定の秘密期間後に内容が公表されるバイもあります。このため、日にちを跨いだ継続調査が必要となります。
なお、このような継続調査は、公募プロジェクトだけでなく、他社の動向調査においても同様に必要となります。一度調べたからと言って大丈夫ではなく、一度調べた直後からの文献発生のリスクや、そもそも調査作業上の「調査漏れ」のリスクはゼロにすることができません。
これらのリスクを減らすためにも、段階的、継続的な調査が必要となります。