サポート事例

権利トラブルの予防

定期調査、防衛出願のすすめ

自社のブランドが乗っ取られた!

(商標マフィア、パテントトロールに注意)

その商標はこちらが登録済みだ!

自社の社名や製品ブランドについて、商標登録はお済みでしょうか。
もし済んでいなければ、今すぐ他社に商標登録されていないか確認すべきです。

最近、他人の社名やブランド名を(あたかも自分のものとして)商標登録して、本来の社名・ブランド名の所有者に対して使用中止を求めたり、使用料を要求したりする人たちがいます。商標マフィアとか、パテントトロールなどと呼ばれています。

我々のクライアントでも、このような被害にあわれた事例があります。ある会社の社長様が、取引の関係者から「おたくの社名がB社(ライバル会社)に商標登録されているようですよ」と言われたことが発端でした。調べてみたところ、B社の関係者であろう個人名義で商標登録されていました。法律上は、こちらの会社名が先に有名であったと立証できなければ、(権利自体を潰さない限り)B社の商標権侵害となってしまいます。※1※2

幸い、本ケースでは先使用権を主張するのに十分な資料(業界紙等の広告、販売データ、取引資料、パンフレットなど、先に有名であったことを立証する資料)が揃っていたため、対抗策を講じることができました。

しかし、もしも資料が揃っていなければどうなっていたでしょうか。後から商標登録された人のために、社名変更、ブランド変更を余儀なくされるのは、自社ブランドの業界内の定着を願ってコツコツ商売を続けてきた事業者にとっては残念でならないでしょう※3

このような事案にならないためにも、自社名や自社ブランド名が他人に商標登録されていないかどうか確認し、大事な名前については先んじて商標登録を行っておくことをお勧めします。(会社名を商号登記しているから大丈夫、とは決して言えません。※4

  • ※1)この会社名が先に有名であったと先使用権を主張すれば、商標権侵害を免れることができます。但し、先使用権を主張するためには商標出願よりも先にこの会社名が周知になっている必要があります。
  • ※2)会社名自体が少しでも有名であれば、「A社との混同のおそれがある」或いは「競業者の業務を害する目的で不正登録された」として、商標権を消滅させる手続(異議申し立てや無効審判)ができます。但し、商標登録を行った個人が少しでもこの名称を使用した業務を行っていれば手続きが成功するとは言えません。
  • ※3)特に、創業から間もない会社や、販売開始してまもないブランド名は注意が必要です。狭い業界のため事業組合等に加入してなかったり、大きな広告活動を行っていなければ、会社が業界内で有名とは認められず、先使用権を否定されるケースもあります。
  • ※4)商号の登記は商標登録とは別です。日本では市区町村の行政単位で同一業種の同名会社がなければ商号の登記自体は認められますが、商標登録をすれば法律上は指定商品についてその名前は権利者だけが使用できます。